ブルーレイを観ながら

  藤野千夜さんの新刊を読みながら、妻が呟いた。

  「9が大人しくしている時は部屋に音楽が流れているね」と。

   僕は最近、チャゲアスしか聞いていない。今日もASKAさんのBRDを購入してきて、鑑賞している最中だ。

  「確かにそうだね」と犬に目を向ける。

  9は、やはり大人しく映像に耳を傾けている様だった。

  部屋にASKAさんの歌声が充ちる。

  妻の鼻歌と、僕の声。

  色々な気持ちと空気で、胸がいっぱいになってゆく。

  例えれば、雨上がりを待つ、街行く人同士と歩調を合わせる様な、そんな気持ちだった。

  雨はいつか上がる。空は澄み渡っている様で、その奥には、雨粒以上の粒子が詰まっている。青さは軽さよりも重圧なはず。僕たちの時間も同じだといいと思う。

  そして、振り返れば、CHAGEさんもASKAさんも、いつでも歌って待っていてくれる。

  きっと、それはこれからも変わらない。 

  9、パパは歌が大好きです。「ASKAさんが好き?」と聞くと不思議そうな顔をする君達を、同じくらいに愛しています。

  

休日の過ごし方

一日中、考え事をするのが嫌で、朝からカフェでアイスカフェオレを飲んでいます。

どこへ行っても考え事は、止まないかもしれないけど、家でのそれは最悪の結果しか浮かばないのが往々。

土日は久々の休日。書店に寄って、土産を買い、ウインドウショッピングをして気分を変えたい。明日は夫婦揃って、ススキノの中華の老舗へ。

そして、月曜日を明るく迎えたい。希望通りは難しくても、せめて、病室で不安一杯に過ごしている人の為に明るい顔と思考を作りたいのです。

「あなたは、直ぐに泣くから」

と僕の頬を突きながら呟く妻。

一番泣きたいのは妻の筈なのに。

ごめん、先に泣いちゃだめだよね。

あなたの母、僕にとっても母。

その人の為に、僕は明るくなるよ。きっと未来を切り開いてみせるよ。

歓声

大事なものは 心の奥底に眠っている

扉を開く時の勇気は 誰もが気づかずにいる

自分を知ることは その勇気を信じることから始まる

心を開いて目を開けた時に 信じていたものが

そこに存在していることを知った時

心をたたいているのは 自分自身

だから 他人には理解できないことや 飛びこせないと思われていることを

達成した時の歓声は 自分にしか聞こえない

大事なものは 心の奥底に眠っている

街へ行こう

 窓の外は曇り空。今にも雨が降り出しそうな天気です。

 皮膚が腫れたという彼女の指をいたわりながら、僕は家の中で一日を過ごしている。

 初夏の気温はどこへやら。すっかり過ごしやすくなった日々でなんとか暑さしのぎはできているような気もします。  

 季節が変わり、肌寒い季節になったら帰省しようという計画は、だめになってしまい、それでもまぁいいかという気持ちが滴のように少しずつ零れて、そのうち心の器が空っぽになってしまいそう。

 見る夢はいつだって、故郷の夢。過去の夢。生きる現実は未来を標ぼうし続ける辛い日々。言われたことにいちいちチクチクして、いわれもしないことに怯えてしまって。

 なんだか、物足りない毎日です。

 指を痛めた相棒はそれでも仕事へ行きました。偉いなぁと思いつつ。

 早く帰ってくるから。今日、カラオケ?いいよ。と言ってくれることにとても感謝しています。ありがとうね。

 それでもなんでも、仕事探しは続けなくてはいけなくて、相談室からの時々の電話を何故か臆病な気持ちになりながら、待つような待っていないような。

 ネガなことは書きたくないなと思いつつ、かといって、何もしていないわけにもゆかず。難しいなというのが本音かな。

 今日は街へ行こう。カラオケでaskaさんの歌を唄おう。ご飯は外で食べよう。

 ちょっと元気になろう。今隣で寝息をたてている9ちゃんはご飯を用意して留守番してもらおう。

 美容室を取り消して、消沈している妻を元気づけよう。

 彼女が痛めた左の小指、傷跡に当たらないように、逆の手と繋いで街を歩こう。

 そうだ、そうしよう。

ヨサコイ日和

午前中までの雨が嘘のように晴れて、札幌は、まさにヨサコイ日和です。

街には法被を着た健康そうな人々で賑わって居ます。

札幌駅南口の踊り場も人だかりで溢れ、暑い中で踊る人達、見る観光客が初夏の暑さにまみれながらも、どの顔も笑顔でした。

久しぶりの仕事への復帰第一日目は、なんだか背中を押してもらえたか、大成功。

とりあえず、次に弾みがつきました。

職場

ここに来ると、どうしても考えてしまう。

必要とされているのか、不必要なのかということ。

僕は弱いし、打たれれば簡単にノックダウンしてしまう。

でも、それを他者に説明はしたくはない。

わかってほしいと、現実の人々に求めることができない。

だから、誤解を受ければ、曲解もする。

苦しんでいる理由も話したくないし、苦しいと白状することも、難しい。

それを簡単にできる人を、羨望の目で見ながら軽視もする。

要は、僕はとてもダメなやつだ。

一度きりの時だ。どうやって乗り越える?

どうしたら、乗り越えられる?

その答えはもう、でているのだけれども。

地下鉄と雨

本を開いて居眠りをしながら地下鉄に揺られているサラリーマンを、見ていた。

僕も仕事へ、一応向かう途中である。

一応というのには、理由がある。

休んでしまおうかと考えながら、地下鉄に乗っているからだ。

僕とこのサラリーマンは大きく違う。

彼は忙しい最中に居眠りをしながらも、さらに書を閉じずに、仕事へも行こうとしている。

一方の僕は、特に理由もなく、仕事から遠ざかろうとしている。

外は雨が降っている。

なんだか、水の匂いが、地下鉄を降りて、階段を登る度に強くなってきた気がする。

雨は休む理由にはなるまい。

サラリーマンがみせていた、姿からなにかを学び取るか、言い訳のような買い物をして帰ってしまうか。

どちらにしても、雨は止みそうもない。