メリークリスマス!

 タイトル 「そして 僕らは」

 

 星を見上げることを忘れ

 過ぎていく時間は泣いている

 街の空は都会の風に吹かれ

 気づけば常闇の夜鳥が羽ばたく

 

 あの日 二人で語り合った時間

 今更乍ら尋ねたいことがある

 

 君は 何処

 雲の向こうにたどり着けたか

 私はあの日のまま 街を出

 知らない街で 知らない人と

 知らない時間を

 君との過去を幸せに過ごしている

 あの歌を愛しながら

 いつまでも辿り着けない人のように

 心だけは何も変えないつもりで あの日を忘れることができずにいる

 

 冬の夜は深々と雪が積もり 街を白く染め上げ

 やがて 静かに雲間から漏れる光を待っている

 人は駅への歩みを止めず 

 風は冷たく吹き抜ける

 ただそれだけだと呟きながら ただ 「それでも」 と繰り返す

 

 タイトル 「今」

 

 僕たちはいつも遠慮なく押し寄せて来る問題と対峙している

 きっとそれは決められてきた夢の続きではない

 決めてゆく時だから次の坂はいつも

 高さだけが視界に見え苦労を予想させてしまう

 登りばかりでは息も途絶え

 下りだけでは真実の速度もわからない

 いつも過ぎた時に場所は地図に表され

 そして見えない場所はその風の向こう

 

 僕たちが見ている問題は今だけ 昨日にも明日にもない 

 問題は いつも 今にある

 

 

 タイトル 「メリークリスマス」

 

 枕元に置いてある小さな天使

 赤や白 青と緑の

 電飾に照らされて

 髭の老人を真似た帽子を被り

 闇にひとり 佇んでいる

 僕たちの天使は

 円満と幸福 そして仲直りの象徴

 君がそこに置いている意味を知っている

 今年はもう一人の天使が 君の足元で寝息をたてている

 何度でも誓う

 たとえ 僕が全てを忘却する日が来るとしても

 今 君たちを愛していることが真実である事を

 そして 僕は続けよう

 たとえ 君と僕の愛する天使が宙に帰る日が来ても

 僕はここに存在する君たちへの愛を失わないことを

 メリークリスマス 

 それが 僕から君たちへの 永遠の贈り物