風は暖かい

春はすぐそこまで来ているのに

どうしたい?塞ぎこんでさ

 

風は暖かく雪道には小川ができている

街行く人達は師走を通り抜け

いつの間にか人の顔も穏やかに

 

いつか追い越した自転車は

まだ後ろにいるかい?

いつの間にか追い越されて

そんなはずはと振り返っても

もう誰もいないよ

 

遠くに見える風力発電の羽

両腕を精一杯広げた姿で

雄々しく風を胸に受けている

遠く遠くに小さく

近ずけば行くほど羽は

ゆっくり回る

 

もういいじゃないか

 

あの人はきっと辿り着いている

僕もそろそろ立ち上がろう

風は背中を押しながら

光の指す方向は真正面

あとは右足を出すだけなんだ

左は気分に任せて

唯唯帆に受ける風を待とう

 

あとは右足をだすだけだから