2017-04-06 朝 白い湯気みたいな空 クリーム色のビルが 春風で呼吸している 街路樹の蕾は桃の色 故郷へ贈る土産物に 託す言葉は季節の香 僕は早く起きすぎて くしゃくしゃになった 頭を撫でながら 少しずつ風の音にあわせ 息を整える 子犬をゲージから出し 「おはよう」を言って まだ眠る愛する人の寝息に耳をすます 1日はこうして始まる 昨日はつまらない事で心が乱れた 今日はどうだろう 夜は過ぎて一瞬の向こう側 朝に風吹き出して回る時間 同じはずでも異にした邂逅 そして朝陽が昇る 地下鉄が走る 大きなトラックが急いでいる そうやって僕も飲み込まれてゆく