白い湯気みたいな空

クリーム色のビルが

春風で呼吸している

街路樹の蕾は桃の色

故郷へ贈る土産物に

託す言葉は季節の香

 

僕は早く起きすぎて

くしゃくしゃになった

頭を撫でながら

少しずつ風の音にあわせ

息を整える

子犬をゲージから出し

「おはよう」を言って

まだ眠る愛する人の寝息に耳をすます

1日はこうして始まる

昨日はつまらない事で心が乱れた

今日はどうだろう

夜は過ぎて一瞬の向こう側

朝に風吹き出して回る時間

同じはずでも異にした邂逅

そして朝陽が昇る

地下鉄が走る

大きなトラックが急いでいる

そうやって僕も飲み込まれてゆく